「おうちゃんを授かって、光平に言ったの。そしたら…やっぱりバレてた。当たり前だって思った。」
「その人には教えたの…？」
「教えられなかった…。私が結婚してるって知ってたから。それに…彼にも家庭があったの」
家庭があった？
「その時はパニックになったの。でもどんどんお腹が大きくなっていくうちにね？この子は私が育てるんだ！って思うようになったの」
「え…」
「でも、光平は知らないフリして一緒に育ててくれたの…。でもある日、光平の浮気が分かった…。あぁ
このままじゃ光平のやりたい事も出来ないんじゃないかって思って離婚したの」
「本当に私の勝手よね…。おうちゃんにはお父さんが悪い人みたいに言ってしまったし。」
「……。」
「あの人、ほんとは優しい人だったの…、黙っててごめんね…？」
「私もね…ちゃんとその優しさ分かったよ…」
私がそう言うとママは嬉しそうに笑った
そしてママは私を抱きしめた
「ママ…？」
「おうちゃんが今までどれだけ大変だったか…、辛かったか…。こんなママでごめんね？おうちゃん…―――“生まれて来てくれてありがとう”」
いつの間にか涙が出ていた。
「うううん…。ママは最高のママだよ！生んでくれてありがとう」
そう言って2人で泣いた…。
私はママの邪魔じゃなかった…
そう思うと気持ちが一気に軽くなった…
