「……最後まで優しいんだね、光輝は」
「ん?」
ゆっくりと歩き始めた光輝の横に並んで歩くあたし。
少し急な坂道を見上げれば自分の家が見えていたけれど、あたしの心では覚悟は決まっていた。
タイミングはきっとこの間しかない。
そう思ったからこそ、あたしは光輝に話しかけたんだ。
「困った時とか…よく助けてくれるよね。
どうしてなの?」
「んー…」
あっさりと返ってくると思っていた言葉に意外にも悩んでいる光輝をみて不思議に思う。
幼馴染みだからって理由だと思っていたのに…違うのかな?
……そして、光輝の言葉はあたしの予想とは全く違うものだった。
「なんか雫って強そうで、
意外と脆いじゃん。
ほっとけねーみたいな」
「……!」
自分のことを気遣ってくれているような言葉に、胸がとくん…と優しく鳴るのが分かる。
火照った顔を隠そうとする前に光輝があたしに顔を向けてきて、自然と目が合う。
歩くスピードはゆっくりなまま、光輝はふっと優しく微笑んで口を開いた。

