パタン……
静かな音を立てて、あたしの部屋のドアが閉まる。
「……はは」
口からは乾いた笑いしか漏れなかった。
……そうか。
あの時の電話はそのことだったんだ。
「……はぁ」
重いため息が部屋に響いて、あたしは窓の方までゆっくりと進んだ。
そして、閉めきったカーテンを開けると朝の日差しが部屋に飛び込んできて、思わず目を細める。
……変なの。
世界はこんなにも普通なのに…そして、あたしも起きた時までは普通だったはずなのに。
お母さんの口から告げられた事実を知っただけで、こんなにも変わってしまうなんて…おかしな話だ。
「光輝……」
もうすぐここを去ってしまうであろう意地悪だけど…本当は優しい、あたしの好きな彼の名前を部屋の中で一人呟いた。
聞いてない……
あたし……聞いてないよ…。
光輝が海外に戻ってしまうなんて知らなかったよ?

