「俺が来るのを忘れるくらいの
その怖がり、治してやる」
「…っ……」
たちまち女の子を虜にしてしまいそうな甘い台詞にくらくらしながらも、必死に逃げ道を探す。
幸いにも、光輝はあたしの体の両側に手を付いているだけで体自身はベッドに押し付けられていない。
その上、光輝の腕が長いこともあってあたしとの間には空間ができていた。
今しかチャンスはないっ……!
そう思ったあたしは、
「……!」
一瞬の隙を突いて光輝の体を力いっぱい押した。
光輝が目を丸める前で、あたしはするりとベッドから抜け出して入り口の方に向かう。
そして廊下に出て光輝の視界から逃げ切った時、あたしは深く息をはいた。
ドキン…ドキン……
心臓の鼓動が早くて、ぎゅっと胸のあたりを掴むあたし。
あたし……どうしちゃったの?
何でこんなにドキドキしてるの。
答えは分かっているものの、信じたくなくて心を封じ込む。
とりあえず、愛子の部屋に逃げよう。
そう思っていた時だった。

