いくら何でも教室の異常に気づいたあたしだったけど、質問に答えたら寝れるんだから仕方がない。
とりあえず、答えるしかないよね。
「も、もちろんだよ!
あたしに向かってきてくれた人は、
名前も顔も二度と忘れな…」
ガタッ……ガタンッ…!
真面目に答えたのが間違いだったらしい。
あたしがちょうど言い終えるか終えないかという時に、クラスの男の子達の大半が立ち上がるのが見えた。
………え?
突然のことに面食らうあたし。
頭がついていかないとは、まさにこのことを言うのだろう。
ばっと愛子の方を見れば、
「♪」
何やら楽しげに笑っている。
それを見て、自分の背中に冷や汗が伝うのを感じた。
そんなあたしを見て、愛子がくすくすと笑いながら口を開く。
「バカねぇ、雫。
あんた…毎年この空気の中で
そんなこと言うから……
放課後忙しくなるんじゃない」
「……!」
そこまで愛子に言われて、ようやくはっとするあたし。
……忘れていたことがあった。
しかもそれは、あたしにとってとんでもないこと。
でも…既に手遅れだった。

