6時過ぎてもマネージャーの喜村さんが中々来ないけど、現場には何時に入ればいいのか。


田城ちひろのイライラ感が半端なくて、私を睨み付けるけど、私は悪くないです。


「綾華免許はあるのか。」


田舎では免許がないと就職も出来ないから、18才になったときに父さんに言われて免許は取った。


だけど、車を運転したのは数回でペーパードライバー状態。


なのにいきなり俺の車を運転しろ言う。


田舎しか運転したことないし、それも数えるほど。


それなのにこの大都会で運転だなんて、自殺行為だ。


必死に拒否てるのに、何故か今は駐車場のベンツの前にいる。


こんなでかい車無理だよ。


ペタルに足が届かないし、前が見えません。

いきなり車に押し込まれた。


「命の保障はしませんから。」


エンジンをかけるといきなりベンツが飛び出した。


「バカか。」


だから言ったのに。


悔し涙を必死に我慢。


右、左だ、青だいけ。


赤だ止まれ。


数メートル進んだだけなのに全身汗だく。


隣にいる田城ちひろは真っ青な顔で前を見つめている。


「右のコンビニに入れ。」


助かった。


まだ死にたくないからと運転を変わってくれた。

田城ちひろのスマホが鳴り出ろと言われ出ると、喜村さんからでコンビニで待っていてくださいと言われる。


直ぐにワゴン車を運転している喜村さんが現れた。


私が挨拶をするとベンツは事務所の者がとりに来るから、ワゴン車に乗って下さいと言う。


田城ちひろが喜村さんに怒鳴った。


「喜村は俺を殺す気か。」


え、と驚く喜村さんに又怒鳴る。


「おまえが遅刻したから、綾華の運転で仕方ないと思ったが、止めるべきだったよ。」

運転した事ないのに、いきなり運転させる田城ちひろが悪い。


怒鳴りたいのは私ですから。


綾華ぐすぐすするな、早く乗れ!


朝から怒鳴らないで下さい。


我儘で俺様で誰もが自分の言う事を聞くと思うのは、大間違いですからね。


駄目なものはダメと正さないと、田城ちひろを教育し直してやる。


訳の分からない闘志に燃えた。