半分かじって返せば、文句が漏れる。
ま、そりゃそうか、一口って言いながら半分食べたし。

あまりの鈍感っぷりにまだムカついてたから、コロネの二の舞にしてやった。

「も~、また半分になったぁ!」

文句を言いながらも、そのまま食べ始める立花。

あのな、立花。毎回毎回、俺も結構ドキドキしてるんだぞ?
それって、間接キスってんだぞ?
当たり前みたいにされても、困る。

よその男とやらないように、俺がしっかり見てないと。
全くこれだから鈍感は。

「おい立花、俺以外とは食べ物も飲み物も分け合うんじゃないぞ?
分かってるな?」

「それ毎日言ってるじゃん! 分かったってば!
てか、瀬田以外こんな意地悪してこないもんっ」

ぷりぷりと怒りながらパンをかじる立花は、やっぱり小動物みたいだ。