「あたしの颯……」


沢山の颯の写真に指を這わせる。


颯が捕まり、あたしの近くからいなくなるなんて、そんなことはあり得ない。


あたしと颯はずっと一緒にいるんだ。


片時も離れることは許されない。


でも、どうして颯はあの子を殺したんだろう?


本当にそういう性癖なのか、それともあの子が颯にひどい事をしたのかもしれない。


どちらにしても、あの子には殺されるだけの理由があったに違いない。


だとすれば……。


「なぁんだ。颯は悪い事してないじゃん」


あたしはそう呟く。


今まで考えていたのが嘘のように、スッと心が軽くなるのを感じる。


颯は悪くない。


悪いのはあの女。


だから、あたしは警察へ行く必要もない。


あたしと颯はこれからもずっと一緒にいられる。


あたしは自分の考えに満足し、ニコッとほほ笑んだのだった。