そこまで杏里の事を覚えているということは、脈があるような気がする。


「それでね、お礼のお菓子を渡してスマホの番号も交換してきちゃった!!」


そう言い、飛び跳ねて喜ぶ杏里。


「おめでとう! それならきっと一緒にいた女の人は彼女ではないね」


「そうなのかな……?」


「そうだよ。だって彼女持ちの人がスマホの番号を簡単に教えるとは思えないもん」


「そうかな? やっぱり、そうなのかな!?」


杏里の顔は期待と不安で入り乱れている。


だけど自分でも少し自信が出てきたのか、目の輝きはそのままだ。


「杏里はカワイイからきっと大丈夫! 自分に自信を持って!」


そう言い、あたしは杏里の背中を押したのだった。