あたしは、叶さんが監視カメラを持っていた人物かもしれないという推測を頭の片隅に残したまま、再びバスに揺られていた。


このまま帰るのではない。


次の目的地は市民図書館だ。


今までは颯が殺人犯だと思っていたから、事件の事を深く知るつもりはなかった。


でも、別に犯人がいるとなれば話は別だ。


今まで殺された子たちの共通点を探し出し、カメラのある場所をある程度特定するつもりだった。


みんなあの部屋で殺されているのだから、彼女らの行動範囲からそう離れていない部屋のはずだった。


大きな図書館の前で下りたあたりは、スマホで時間を確認した。


いつの間にか時間は過ぎていて、もう放課後になっている頃だ。


これなら制服姿のまま入っても怪しまれないだろう。


そう思い、あたしは堂々と図書館へと足を踏み入れた。