それは何か月か前に利用した通販サイトからのパンフレットだった。


薄い冊子が玄関のポストにねじ込まれていて、あたしはそれを引き抜いた。


「このサイトで何買ったんだっけ?」


確かに使った記憶はあるけれど、何を買ったのか思い出せない。


それほど重要なものではなかったからかもしれない。


「純白?」


玄関の外からそう呼ばれ、あたしは我に返って玄関の鍵を開けた。


今日もあたしと颯は学校が休みで、昨日のお詫びにと来てくれたのだ。


「おはよう純白」


「おはよう颯」


玄関先でこんな挨拶をかわすのがなんとなくくすぐったくて、あたしは颯を部屋へ促した。