元旦は、家族で過ごして翌日。

私は、また着物を着付けてもらって、大我さんのことを待った。


お家のインターホンが鳴ったから、大我さんかと思って玄関を開く。
そこに立っていたのは、大我さんでなく俊司だった。

「俊司?」

「よっ、あけおめ。」

「あっ、明けましておめでとう。」

「お邪魔するよ。」

「えっ?ちょっ、なんで?」

「なんでって、今日アメリカに行くんだよ。ケイトさんにここにくるように言われたんだ。」

「へっ?今日?」

俊司は、荷物を持ってそのまま家の中に入っていった。


今日って、お父さんが帰るって…
一緒に行くってこと?

そう思いながら、立ち尽くしてたら、大我さんがやってきた。


「凜さん。」

名前を呼ばれて我にかえる。

「あ、大我さん。明けましておめでとうございます。」

「明けましておめでとう。今年もよろしく。
お家の人にも挨拶してよい?」


「ふぇっ?あ、だ…ダメです。」
家には、お父さんがいる。
会ったら、スミスだってバレちゃう。

誤魔化そうとして、変な声で変な返事になってしまう。


「えっ?どうしてですか?」


「あっ、あの…来客中なので…」

「そうなんですね。では、あらためて。凜さんは、お出かけの準備よろしいんですか?」

「はい、大丈夫です。」


そう言って、大我さんとお出かけした。

はぁ、うまく誤魔化せたみたいでよかった。