私は、『オルフォード・アイン大国』で奴隷商人をしている。始めたばかりの頃は、泣き叫ぶ子供や犯罪者達を見て哀れに思ったものだか、10年も経てば慣れるものだ。今は何も感じ無い。
今日も王都近くの村に、子供を売りたいという者が現れた。子供を売りたいと言う大人は多くいる。
お金が無いから仕方が無く。
子供が五月蝿くて煩わしい。
どこの家族も、そんな子供の気持ちなど考えていないもの。そして売られて行く子供も意味が解らず、ただキョトンとしている者や親に嫌だと泣き叫ぶ者。まだ赤ん坊の頃に売られる者。
殆どがこれだ。
しかし、少数の子供は自分が売られる事を理解し私の言う事を聞く者がいる。そういった子供は聡明で、普通よりも高値で取引されることが多い。
なのでそんな子供は、買い取る前にテストを行い、技能が高ければ貴族へと売られて行く。
そして、今日出会った少女は、素晴らしい才能を私に見せた。