dearest〜親愛〜

ハナサカのLIVEを見ながらあのLIVEの日を思い出す



みんなが一体になり俺を受け入れてくれた


夕陽が居て瑞穂が居てファンが居る



この風景を俺は確かにステージで見ていたんだ



それを手放そうとしてる



歌う事を大切な仲間を大好きな人を



そこまでして俺が本当に守りたいものは…いったいなんなんだろう



遠くに見えるハナサカたちの笑顔




ああ、本当に守りたいのは瑞穂の笑顔なんだ



苦しむ瑞穂を見たくない




そう思ったんだ、俺が歌えなくなる事を瑞穂が悲しまなくていいように…だから俺は今日瑞穂を手放す



俺じゃ幸せにできないから



「太陽さん、お疲れ様です」



カイに言われて俺は流れてた涙を拭いて振り返る



「お疲れ、いいLIVEだったよ、打ち上げ行くぞ」



でももう少しだけ伸ばしたかった



向き合わなきゃいけない現実から逃げたかった



「はい、でもその前に寄りたいところあるんで一緒に来てもらえますか?」



カイに言われて頷いた



それからハナサカのメンバーと車に乗る



「太陽さん、俺たちはお荷物になりたくない、太陽さんには歌っててほしい、前を走り続けて欲しいんです」



カイが急にそう話し出す



「太陽さんがツライなら俺らのプロデューサー降りてくれてもいいですよ、ここまで育ててもらいましたから」



ユキが言う



「意味がわからない」



「ちゃんと話してくださいね、打ち上げは俺らだけで行きます、今太陽さんがしなきゃいけないのは打ち上げじゃなくて待ってる人たちのとこです」



「カイ、お前」



「逃げるなんて太陽さんらしくないですよ」



「わかったよ、でもプロデューサーは辞めない、俺にはそれしかないんだ」



「太陽さん?」



「Light辞めるのはお前たちの為でも琴音の為でもない、自分の為だよ、もう歌えないんだ…俺には歌う事は出来ないんだ」



「え?」



「わるいな、ありがとう、ちゃんと話してくるよ」



家に車が着いた



もう逃げれないな



「太陽さん?」



「打ち上げ行ってこい」



そうハナサカに言い車を降りた