もう一年も前の出来事。
もう一年も前の片想い。
あれから一年経って、必死に仕事に打ち込んで、バカ女の事なんて考えないようにしていたのに。
バカ女の幸せを感じれば感じる程に、俺は笑うのも必死で……。
『こちらが当式場のチャペルでございます』
俺は必死な笑みを浮かべ、二人にそういうと重厚な造りの扉を開ける。
と、同時に生花の香りが溢れ出す。
『わぁー!!素敵!』
一目散にチャペルに入ったのはバカ女-……
『見てみて!バージンロード長ーい!!
ウェディングドレスはさ、こう後ろも長いやつの方が映えるだろうね!』
バカ女はよっぽど気に入ってくれたのか、あちこちに目をやりながら奥へと進んでいく。
それを追い掛ける新郎、そしてそれを追い掛ける俺。
『ステンドグラスにシャンデリア……
大人っぽくて、それでいて可愛い!
こんな所で大好きな人と一緒に歩いたら…きっと、絶対に忘れられない結婚式になるね!』
(きっと、絶対に忘れられない結婚式になる……か。)
(俺はバカ女にとって、そんな大事な、大切な結婚式に携わって、そして担当をしてくれた人という、そんな人になっちゃうんだな……)

