エーラがさばいた生肉を鷹にあげると、
鷹はあっという間に平らげてしまった。
シオン様は、肉を焼いてくれていて、
エーラは目が合うとこちらに話しかけてきた。
「そいつの名前、決めたのか?」
「ううん、まだなの。なかなかこの子に合う名前が思いつかなくて…」
私がそういうと、エーラは少し考えてから
「そいつのイメージぴったりの名前もいいけど、こんなふうであって欲しい、みたいな願いを名前にしてもいいんじゃない?」
と言った。
「そっか、願い…考えてみるね」
エーラにそう返すと、私は鷹を見つめた。
この子に対する、私からの願いってなんだろう
そう考えても、死なないで欲しい。
というぐらいしか、思い浮かばなかった。
寿命がない私は、いつだって皆に先立たれる。
その悲しみは、半端なものじゃないのだ。

