エーラが出ていってしまってすぐ、シオン様は 呟くように言った。 「…よかった」 その言葉に、私が?を浮かべていると、 シオン様は、 「エーラは、めったに笑わないんだ。それこそ、慣れてない人の前では特に。フィアネはすごく気に入られたみたいだな」 と嬉しそうに言った。 「確かに笑ったところ見たの初めてでした」 何日か一緒にいても、生真面目そうな顔を しているか、シオン様に突っ込む時に少し 呆れたような顔をするだけだった。 気に入られたみたいと言われて 私は少し嬉しかった。