「それで、シオン様。なにか私に用があったんですか?」


と、聞いてみると、シオン様は




「もうそろそろ、発とうと思うんだが…フィアネの怪我が大丈夫なら。」


と言った。



「私の怪我なら、もう大丈夫ですよ。いつでもここから発てます」


と返すと、シオン様は



「そんなに無理して早く行こうとしなくてもいいからな」


と言った。



「でも、城の兵達には私たちがここにいるとバレてしまっています。このままここにい続けるのは危険です」


「そうだが、それでフィアネの怪我が酷くなったら元も子もない。」



その言葉を聞き、私はおもむろに包帯を


解きはじめた。



「ほら、かさぶたがあるだけです。もう本当に大丈夫ですよ」


と、シオン様に腕を見せながら笑っていうと、



「よかった…」


と、心底ほっとしたような顔でシオン様は


言った。