「これが、初代、四聖獣と麒麟の全てです」
フィアネがそう話終えると、
私の顔を見て驚いたように言った。
「そ…そんな泣かないでくださいよ」
そこで私は初めて、自分が涙を流していると
気づいた。
「四聖獣と麒麟がバラバラになって死んでしまったなんて…悲しくて…」
そういうと、フィアネは少し黙ってから言った
「やっぱりシオン様は、初代麒麟様に似ておられますね」
「私が?…というかフィアネ、初代麒麟に会った事があるのか!?」
二千年も前のことなのに、フィアネは
とても詳しく話せる上に、麒麟の姿を
知っているようなことを言う。
「えぇ、嘘をついてごめんなさい。私の年ですが、17ではないんです。私は二代目の朱雀。初代朱雀が殺されて少し経った後から、初代の麒麟様が殺される直前まで、麒麟様の側にいたんです。」
その言葉に驚いた。
幼く見えた少女は、自分よりも遥かに
年上だったのだから。
「大体1900歳とかですかね…たぶん。もう忘れちゃいました」
そう言って、フィアネは笑う。
「四聖獣には、寿命はないのか?」
と、私はフィアネに問うと、フィアネは、
「まぁ、元は石なので寿命はないです。病にもかからないけれど、ただ一つ、心臓の場所を貫かれると、石が砕け、私たちは死にます。そして、石は1ヶ月程で再生し、麒麟様が居なくなってもなお、新しい四聖獣を生み出すのです。」
「君たちは生まれ変わってるのに、麒麟は生まれ変わらないのか?」
そう聞くと、フィアネはすぐに言った。
「生まれ変わっています。シオン様。あなたこそが、私が待ち続けた新しい主、二代目の麒麟様なのです。」
私は、今フィアネが発した言葉を理解できずに
いた。

