私がそう考え始めた頃、やっと家屋から
ふたりが出てくる姿が見えた。
二人はなぜだか少しばかり晴れやかな顔を
していて、今までは少し距離があるようにも
思えたけれど、その距離が無くなったように
みえた。
何を話していたかはわからないけれど、
いろいろと打ち解けられたみたいだ。
出てきたふたりが手にしていたのは少し小さめ
の鍋で、山菜を沢山使ってスープのような
ものを作ったようだった。
ふたりが笑顔でそれをほかの人に配る様子を、
私は微笑ましく見つめていた。
そこから視線を横にずらすと、シオン様たちを
じっと見つめるエーラの姿があった。
どこか寂しげなその顔に、私は少し驚く。
私が声をかけるのをためらっているうちに、
エーラは小さな子供たちに群がられて、
子供たちに建物の方へ引っ張っていかれて
しまった。

