顔を上げたライアの表情には一点の曇りも
無くて、ただ揺るぎない決意をもった
表情だった。
私はその言葉、表情に感心して、頷いて言った
「あなたがそう決めているのなら何よりよ」
そう言ってから、私は少しライアに近づいて
ポンッと肩を叩く。
私のその行動に、ライアは困惑の表情を
浮かべた。
「この村を離れても、一人になる訳じゃない。この村の人たちは何にも変え難い人たちだと思うけれど、これからは私たちがあなたの側で支えるから」
ニコリと笑って放った言葉は、ほんの少しだけ
ライアが不安を感じているように見えたから。
「外の、シオン様達のところに行ってくるね」
ライアが返事をする前に、
私は何やら偉そうなことを言ってしまったよう
に感じて、少し恥ずかしくなって
そこから出ていこうとする。
すると後ろから、
「ありがとう」
と、小さくつぶやく声が聞こえた。

