「もしも、あなたがこの村を離れたくないと言っても、シオン様はそれを受け入れてくれると思う。わかっていると思うけど、シオン様は優しい方だから。」 私のこの場に、ライアは目を白黒させる。 「そんなに、俺が迷っているように見えましたか?」 そうクスリと笑ってからライアは言うと、 鍋の湯の具合を見ながら、 「寂しいと思うのは本当ですが、行くと決めた決心は揺るぎませんよ。俺は麒麟様その方に使えるためにこの世に生を受けたのだから。」 と言い放った。