「今日は大変だったようですね」
そう、柔らかな笑みを浮かべながらライアは
言う。
「うん、少し…ね。」
私はその言葉に、少し苦笑いしながら返した。
「このあたりの地盤は結構脆いので気をつけた方がいいですよ」
そっと忠告を述べたライアを見ながら、
それはゼンが落とし穴を掘る前に言って
欲しかったなぁと思う。
鍋をかまどに置き、薪をくべながら
「あなた達のことは、随分とこの村で待たせてしまいましたね」
とライアが呟くように言った。
その言葉に、私は振り返ると、まだ何の相槌も
打たずに、じっとライアの瞳を見つめた。
「村の田畑の耕す工程は、今夜中にでも終わります。ですので、あなたがたについて行きたいということを、後ほど話すつもりです。」

