「…まさかこれ全部クオンが狩ったのか?」
エーラが目を見張って獲物の山を見る。
私も驚いてクオンの方を見ると、クオンは
得意げにピィと鳴いた。
「これなら、村のみんなにも振る舞える」
そうエーラは言うと少しずつ袋に詰め始める。
それを見たクオンは、取られないようにと
一匹のうさぎをくちばしに咥えると、
引きずってその場を離れる。
「心配しなくても取らないよ。お前が全部とってくれたんだから。」
エーラがそう笑いかけると、クオンは獲物を
落として、ピィ?と首をかしげて鳴いた。
「ありがとうクオン、さすがね」
と、私も近づいていってクオンの羽をそっと
撫でる。
するとクオンはピィーと嬉しそうに鳴いた。
クオンが狩りが得意なのは知っていたけれど、
まさかここまでだなんて。
「へぇ、すげぇんだなクオン」
いつの間にやらクオンの真後ろであぐらを
かきながら頬杖をついて言うゼンの声に、
クオンはピィと鳴いて、ゼンの腕に飛び乗った

