「くっそ抜けやがったこいつ!」 石を睨みつけながらそう言うゼンに、 エーラは呆れたようにため息をついた。 「やっぱり私が…」 そう申し出ようとして、言いかけた時、 私が立っている地面に、少し亀裂が入っている のが見えて固まる。 や…やばいかも。 反射的にその場から飛び退くと、その地面は穴 の中へと崩れていく。 「「のわぁぁぁぁ!!!」」 穴の中から二人の叫び声が聞こえて、 ふたりは見えなくなった。