と、その時、すぐ隣にいたはずのエーラの姿が
バキバキっという音と共に一瞬で消えた。
「え?」
驚いてそちらを見ると、真上にある木の枝から
ブンっと白いものが落ちてきて
「っ…!?」
と、それに矢を向ける。
「っしゃ、掛かった…」
その白いものは声を発して、構えていただけの
矢を標準も合わさず離してしまう。
「うっわ、危な…」
その声と共に振り返ったのは木に足をかけて
ぶら下がったゼンだった。
そして、私が誤って放った矢を避けた拍子に
ゼンの足が木から外れる。
「「あ」」
ゼンと私の声が重なった。

