それに驚いて振り返ると、そのまま 強い力で引き寄せられて、重心が傾く。 「わ…」 そしてそのまま、フェルナンの胸に倒れ込んで しまった。 「ちょ…ちょっと、何する…」 と言いかけると、フェルナンはそれを遮って 「こうすれば治るんでしょ?」 と私を見下ろしながら言った。 私の掴まれた手はフェルナンの怪我していた腹 に触れており、怪我の場所はすごく微かに 赤い光を放っていた。