シオン様が、お前達、と言ったのは エーラとフェルナンのことだと思う。 私はまだ、この二人の過去のことなんか 全然しらないんだなぁ… と、ふと思ってしまう。 …いつか…いつか、聞いてみよう。 エーラとシオン様の出会いの話。 エーラとフェルナンの昔の話なんかを。 エーラは、再び屋根の上に登ると、 もう村の出口に差しかかるフェルナンの姿を 見ていた。 その眼差しは、今までの険しい嫌悪感が 少し薄れているような気がした。 その時、私はハッとして昨日作った薬のことを 思い出す。