「お前は黙ってろ」 ぺんっと軽く男の子の頭をはたくと、 エーラは疲れたように歩き出す。 私もそれに続いて、今度はちゃんと、 前を見て歩く。 時折こちらを振り返って、ちゃんと付いてきて いるか確認するエーラの姿に、優しさが 感じられて、私は少し嬉しくなった。 エーラの繊細な気づかいには、シオン様も、 ゼンも、私も、よく助けられていた。