…でも…どこにも見当たらなかったフェルナン の姿… この村に、もう居ないってこと…? それとも、どこかに出ている? …この村の側には、温泉ぐらいしかないと思う のだけれど… 誰にも危害を加えていないのだから、別に 探す必要も無いんだけれど… 前に、お礼を言った夜、あの人からかすかに 血の匂いがしたような気がした…。 「…」 私は考えるのも止め、無意識に温泉の方へと 歩き出した。