…シオン様と、フェルナンの姿が見えない… まずい事になっていないといいけれど… 私はそう思いながら、気から降りた。 すると、木の真横の家屋から、シオン様の声が 聞こえた。 驚いてその家屋の窓から中をのぞき込むと、 シオン様が、その家屋に住むおじいさんの肩を 揉んであげていた。 「あんた…肩揉むの上手いねぇ…」 そんな嬉しそうなおじいさんの声が聞こえる。 「私でよければいくらでも揉みますよ」 なんて、シオン様の返答も聞こえて、 …この人本当に元王族か? と思ってしまう。