私は近くにあった枝を拾うと、素早く


シオン様に向かって振るう。



驚いてシオン様は飛び退き、剣の柄でその枝を


払った。




私はそうするだろうという予想をしていたので


そのまま枝を手放して、その手を地面につけ、


そのままシオン様の顎を蹴りあげようとして


寸止めでやめた。





「…フィアネ…突然何するんだ…」


苦笑いしながら私にそう問いかけるシオン様。



それに私は満面の笑みで、



「この通り、心配しなくても私はピンピンしてますし、皆の中で一番弱い私でも、簡単には殺られません。あなたがそんなに気負わなくても大丈夫ですよ」


と、シオン様に向かって言い放った。




その言葉に、シオン様は微笑んで


「…ありがとう、フィアネ、なるべく無理はしないようにする」


と返した。





「なるべく、じゃダメですよシオン様。」


「絶対なんて約束できないしな」




そんな会話をしながら、私達は家屋へ戻る。




そばにいるだけで、笑顔になれる仲間…


そんな人たちに、私は出会えた。




麒麟様の、言う通りだった。


数え切れないほど長い年月を生きてきた。

寂しさで死にたくなった時もあった。

でも、私はしぶとくも今も生きてる。



…まだ、生きてみるつもりだ。




生きていれば…という、麒麟様の言葉を信じて