私が生まれたのは、北方の山間に位置する 小さな農村だった。 ごく普通の黒髪の夫婦の間に、私は生まれた。 普通ではありえない赤い髪に、村人達は 呪いの子だと恐れた。 それに加え、前世のイーリアの記憶が鮮明に あったからか、小さな子供が知っているはずも ない言葉や物事も知っていた。 両親だけは、私の味方だったけれど、 呪いの一家だと段々と敬遠されていった。