その言葉を聞いて、私は驚いた。
…あの言葉は本当だったという事…?
隙をついて出ていけば、ゼンとライアがいても
シオン様とエーラを殺すことは、フェルナン
になら可能だったんじゃないかと思う。
それなのにそれをせずに、しかも怪我をした
私たちを運ぶのを手伝うなんて…
確かに、エーラとシオン様の命に興味がない
としか思えなかった。
「あとちなみに、ここまでお前を運んだのも、あの白髪だ」
と、ゼンは付け加えた。
それを聞くと、あれだけ敵視していたのが
なんだか恥ずかしくなってくる。
やっぱり、謝罪してお礼も言った方が
いいような…
と、私が考えていると、シオン様が
「やっぱりフェルナンと話してくる」
と、決意を固めたように言って、立ち上がる。
「え!?シオン様、それは危な…」
そうエーラが言うのを、シオン様は
「あいつは私たちが倒れている時に何もしなかった。前回襲ってきた時だって、早めに撤退していた。それにかける」
と言って部屋を出ていこうとする。

