私はハッと目を開いた。
すると、最初に見えたのは村の家屋の天井
だった。
体中のきしむような痛みの中、私は無理やり
起き上がると、部屋を見渡した。
すると、ちょうどふすまが開いて、
ライアが入ってきて、私が起きているのを
見ると、驚いた顔をしてから
そのまま部屋を走って出ていってしまった。
私がポカンとしていると、ライアはすぐに
シオン様たちをつれて帰ってきた。
「フィアネ!よかった!全然起きないから心配したんだぞ」
と、シオン様が真っ先に近づいてきて、
私に有無を言わさずに抱きしめた。
「え…シオン様?」
シオン様は本当に心配してくれていたのか、
そう呼びかけても離してくれなかった。
「シオン様とエーラこそ、無事でよかったです」
抱きしめられたままで私がそういうと、
シオン様は私を離して、
「あの後あいつらは青龍の石を持ったままさっさと撤退してしまったんだ。まぁ、最後にみぞおちに蹴りは食らったが…」
と、悔しそうにいう。
「…本当にすまない、ライア」
悔しさを全て堪えて、そうライアに謝罪をする
シオン様に、ライアは
「とんでもない」
と、両手を振った。
「ともかく、みんな無事で良かったです」
そうライアは微笑んでそう言った。
そして私は、目を覚ました時から感じていた
違和感に気づく。
平然とこの場にいるシオン様とエーラだけれど
「あの…シオン様とエーラはここにいて大丈夫なんですか?」
フェルナンを避けるために、この村から
離れているはずだった。
「あぁ…そのことなら…」
と、シオン様が口を開きかけるのを、ゼンが
遮ってこう言い放った。
「あいつは、本当にシオンとエーラの命に興味ないみたいだった。クオンが知らせに来て、俺とライアが祠の方に行った後をつけて来ていたが、3人とも倒れているのを見ると、あの白髪はあっさり出てきて、村に運ぶのに手を貸してくれた」

