ぺトラスは、顎を打ち上げられて
仰け反っていた。
だが、次の瞬間、私の蹴りあげた方の足を
ぺトラスの左手がつかんだ。
「きゃっ…」
ぺトラスは私をエーラが立つ方に投げ飛ばした
私はエーラにぶつかって、それでも止まらず、
背後の岩まで飛ばされた。
ゴッという鈍い音ともに、体中に激痛が走る。
エーラはどうやら無事たったようで、
すぐに起き上がって、
「フィアネ!」
と、私の名前を必死に呼んだ。
霧がかかったようにぼんやりと映る視界の中で
私は起き上がろうとしたが、どうやっても
体が動かなかった。
やっとのことで震える手をエーラの背中に
触れた。

