クオンを肩の上に乗せたまま、私は
シオン様とエーラがいる方へと歩き出す。
…いつもなら、エーラがすぐそこに座って
待っているのに…
今日は、どこにもその姿は見えなかった。
さらに奥の方、祠の近くまで進んでいくと、
エーラの後ろ姿が見えて、私は手を挙げて
エーラと、呼ぼうとした。
けど…エーラの足取りは何故かおぼつかなく、
ふらふらとしていた。
…エーラ…?
もしかして、具合が悪いのかも…
そう思い、足早にエーラに近づいていくと、
気の影で隠れていた左手に、刀が握られている
のが見えた。
そして、その刀を握る左腕からは真っ赤な液体
がとめどなく溢れ出ていた。

