外に出ると、いつも通り皆寝静まっていた。
私はそそくさと村の外まで出ると、
羽を広げようとした瞬間、
背後に気配があるのを感じ、驚きながら
振り返った。
するとそこには、ピョンピョンと着いて
くる、クオンの姿があった。
「クオン!どうしたの?」
そうかがみ込んで聞くと、クオンはピィーと
鳴きながら翼で空の方を指した。
「…一緒に来てくれるの?」
私がそっと聞くと、クオンはそのまま羽を
広げて、空へと飛び立っていった。
私もそれに続いて飛び、辺りがうっすらと
明るくなってきた頃には、シオン様たちのもと
へ着いた。
青龍の祠は、大きな湖のすぐ横にたっていた。
私は湖の淵に着地し、クオンは私の肩の上に
止まった。

