私はいつも通り、まだ暗い時間に
部屋を出ようとした。
部屋には、まだすやすやと眠っているゼンの
姿があった。
布団がずれてしまっていて、少し寒そうなのを
きちんとかけ直してあげてから、私は外へ出た
この1週間、何人かの役人は村人に対して
乱暴な言動を続けていた。
一応の指揮官であるフェルナンも、その辺は
何の注意もせず、ただ冷たい目で見ている
だけだった。
そのため、ライアやゼンは幾度となく間に
止めに入っていた。
ライアはまだおおらかな方だからか、
仲裁は得意なようだったけれど、ゼンは
というと、今にも目の前の相手を殺さんばかり
の形相でいつも止めに入っていた。
そのせいで、ゼンは余計疲れているんだと思う

