「う…それより、ゼン、私からも話したいことがあるの」 言い返す気力もなく、私がそう言うと、 ゼンはとにかく中に入れ、と言うように 首を振って促した。 中には、エーラとシオン様が 待ち構えるようにして座っていた。 「あ、来たな」 と、シオン様がこちらを見て微笑む。 「ゼン、私の方を先に話していい?」 後ろを向いてゼンに聞くと、ゼンは頷いた。 「…なにかあったのか?」 そう、エーラはこちらを見て心配そうに聞く。