「あ!フィアネ…!」


そう、私を呼び止める声が後ろから聞こえて


もどかしい気分で振り返る。




「そっちは、村じゃないですよ。あっちです」


ライアがそう言いながら指さした方角は


私が行こうとしていた方とは真逆で…



「それに、その格好で村に行くのはやめて下さい…多分、エーラが怒りますよ」




そう言われて、はっとして自分の格好を

見直してみると…



布一枚巻いた上に、ライアの上着がかかって

いるだけだった。




…!!

わ…忘れてた…



でも、どうしてエーラが怒るんだろう…


なんて疑問に思いながら、私は上着を

ライアに返した。



「ごめんなさい、少し濡れちゃってるかも」


と言って返してから、私は木の影で


素早く着替えて、そこから出て、ライアの手を


掴んだ。