「す…すごい…!こんなことが出来るなんて…!!」
森の中で料理する時、わざわざ谷に降りて
いって川から鍋に水を汲むことも
喉がからからで死にそうって時に
川が近くになくて水がないってことも
無いってこと!?
…なんて便利な…。
「フィアネの能力のほうが羨ましいです」
私の、旅のことしか考えていなかった
思考回路を遮って、ライアはそう言った。
「どうして?」
そう聞いてみると、ライアは
「俺がその力を持っていれば、死ななかった村人もいるかもしれないと思って。」
と、少し悲しそうに答えた。
…一見今は平和そうに見えるこの村も、
役人の取立てのせいであまり平和ではない
のだろう。
それに、このまま税を払わないと、
どんどんと借金が膨れ上がってしまう。
…それでも…こうしないとやっていけない
くらい、この村の土地は飢えていた。

