「大丈夫、他言はしませんよ。ありがとう、フィアネ」
ライアは私にそっと言ってから、
「村に戻りましょうか」
と言って立ち上がり、村の方へ歩き出した。
「…なんで使ったんだ?」
そうエーラに聞かれて、私は
「ごめんなさい、気づかれないように少しずつ使うつもりだったんだけど、私がうっかり強く触っちゃって…」
と下を向きながら答えた。
「…気をつけろよ」
エーラはこちらを見ずにそう言う。
「うん…ところでエーラ、どうしてこんなに早いの?」
そう聞くとエーラは、う…と言葉に詰まって
黙り込んでしまった。
「エーラ?」
急にどうしたのだろうと、エーラの方を見ると
エーラは少し頬を赤くしていた。
え…なんで?
「もしかして、熱があるとか?私、薬持ってる…!」
と言って、私が鞄を開けようとすると、
エーラが横から
「ち…違う!」
と言って私の腕をつかんだ。

