黄金と四聖獣




すると、傷にはみるみるかさぶたができ、


膿は引いていった。




…これ以上やると、おかしいって思われちゃう


かな…


本当は、全部治してあげたいんだけど…




そんなことを思っていると、ライアが


さらっと私の髪を手ですくい上げた。




「え…なに?」


突然のことに驚いてそう聞くと、



「え…あ、いや…その」


と、ライアは思い切り口ごもる。



「き…綺麗だと思って、赤い髪…」


そう言われて、私は



「私からしたら、あなたの青い髪の方が綺麗だと思うけれど…」


と返した。



「…俺は、あんまりいい思いでないですよ。この髪に。」


「どうして?素敵なのに」



と言って、ライアの髪に触れようとした瞬間


うっかりライアの傷口に置いていた手に


少しだけ力を込めてしまった。




すると、力の強さに反応するように、


今まで抑えられていた赤い光が傷口から


溢れ出した。




「え!?」


自分の体が光り出したのを、さすがに

気づかない人はいなかった。



わぁ…いきなりやってしまった…




「な…なにこれ」


と驚いたようにライアは傷口を見つめてから



「痛みが全然なくなった…」


とポツリと呟いた。





「え…えっとそれは、この薬の…」


どうにかごまかそうと、薬の説明を始めようと


するけれど、それを話し出す前に、


ライアの手が私の手を捕まえた。





「…もしかして、フィアネが治したんですか?俺の怪我」






……


…………………。




こういう時ってなんて答えればいいのだろう…



そうだよ?


そんなことできるわけない?


この薬のおかげだよ?



…………??


ど、どうしよう…