「ところで旅の人たち、名前は?」
そうおじいさんに聞かれ、私達はそれぞれ
名を名乗った。
「そうかそうか、まぁ何も無いところだがゆっくりして行ってくれ。ライアがいる限り、危険もないしなぁ」
おじいさんはそう、ライアを褒めちぎるが
当の本人は、あまり浮かない顔をしていた。
「ありがとう」
そうシオン様が礼を言うと、そうだ、と
思いついたようにおじいさんが言う。
「君たち、長旅で疲れているんじゃないか?疲れを癒すのに、ぴったりな所があるんだ。温泉が湧いている場所が」
その言葉に、シオン様、エーラ、ゼンが
反応する。
「温泉か、それは嬉しいな。」
とシオン様が言うと、おじいさんはニコニコ
しながら、
「そうだろう、そうだろう」
と言う。
「案内しよう…あ、フィアネちゃんは後からライアに連れてきてもらいなさい。さすがに一緒には入れないだろうから」
おじいさんのその言葉に、私はこくりと頷き
「ありがとうございます」
とだけ返した。
そしてそこで、シオン様達と別れてライアと
二人きりになると、ライアから私に
話しかけてきた。

