髪も整えられていて、何事も無かった
かのように立っている青年に驚く。
「この人たちは、僕が役人を追い払う時に力を貸してくれた人たちです」
と、笑ってセルトビアと呼ばれたおじいさんに
言うと、おじいさんは
「そ…そうだったか!すまない、ライアの知り合いだとは知らず…」
と、すぐに斧を下ろして謝ってくれた。
「いや、こちらこそ勝手に村の中に入って来てしまってすまない」
とシオン様は謝ってから、
「ここの村の住人は居ないのか?」
と、おじいさんに質問をぶつける。
「いや、役人が来るかもしれないとライアが言っていたものだから、今日は中に引っ込んでいるだけだ。まぁ、ライアが追い払いに行ってくれたのだから、心配はないと思っていたが」
と、嬉しそうな、誇らしげな顔でおじいさんは
ライアと呼ばれた青年の腕を掴む。
「あ…あはは」
それに、ライアは苦笑いで答えただけだった。

