私はそう言ってゼンに扇子を突き出す。 けれど、その扇子を受け取ったのは ゼンではなくエーラだった。 私がキョトンとエーラを見ると、エーラは、 「ただでさえ、その格好と髪の色で目立ってるんだ。ちょっと、静かにしてて」 と口に人差し指を当てながら言った。 「ご…ごめん、エーラ」 私はそう謝るけれど、エーラはもうこちらを 見ていなくて、荷物を漁っていた。 そして、すぐに荷物から羽織を引きずり出すと 私の肩にかけた。