そして次の瞬間、ゼンは軽々と クマを引き裂いていた。 一瞬で息絶えたクマを見て、私たちは 唖然とする。 一方でゼンは、かがみ込んでクマに触れると 「悪いな」 と小さな声で呟いた。 多分、私にしか聞こえなかっただろう。 「晩飯にしよう」 一瞬で切り替えてそういうゼンに、 またみんな呆気を取られる。 「クマ鍋でいいだろ?」 と、ゼンが言うのに、皆が頷く。 「…随分と野生児っぽいな、ゼン」 そう言うシオン様に、 「あんたみたいな坊ちゃんとは違うんでね」 と返した。