次の日の朝、早朝に起きてしまったシオンは、
神社の近くにあった切り株に座り、
森を見ていた。
自分がこんな山奥にいると、城から追放された
ということを実感する。
「…」
自然とため息が漏れる。
ひとりになると、考えが後ろ向きに
なってしまうみたいだ…
これから、どこへ行こう…
「あら、シオン様?」
そんな声が後ろから聞こえて振り返る。
「あぁ、フィアネ。おはよう」
「おはようございます、早いですね?エーラさんはぐっすり寝てましたよ」
と、フィアネは言う。
「疲れてるんだろうから、ゆっくり寝かせてやってくれ。」
そういうと、フィアネは、
「はい、もちろんです。エーラさん、寝てる顔すごく可愛いんですもの」
と、口に手を当てて笑いながら言う。
「あぁ、確かにエーラは男のわりに可愛い顔をしてるな」
「でしょう?」
「でも、エーラは人見知りで、だいぶツンツンした態度してただろう…気を悪くしなかったか?」
「いいえ、全然気にしてませんから」
フィアネは笑顔でそういうと、
「じゃあ、私は薬草とかを採りに行ってきますね」
と言って、山の中に入っていった。
…できれば、ここにいて欲しかったんだけどな
今はすごく、一人になりたくない気分だ…
考えるのをやめるため、私はエーラが
持っていた剣を手に取って、鞘から抜き
剣の稽古をはじめた。

