「ただ、居場所の手がかりがまた何も無いんだよな…」
シオン様が困ったようにいうと、ゼンは
「俺は、青龍と玄武の居場所は知らないが、祠の場所ならわかる」
と言う。
「それなら!四聖獣は祠の近くに居るはずだし、祠を目的地にしたらどうですか?」
と、私も口を開いた。
私のその言葉に、シオン様は頷いて、
「ゼン、青龍と玄武の祠、どっちの方がここからだと近い?」
と、ゼンに聞く。
「ここからなら、都を突っ切れば青龍の祠がすぐそこにある」
「…俺もシオン様も、都は通れない」
ゼンの言葉に、横からエーラが突っ込んだ。
「なんでだ?」
とゼンが訝しげに聞くのに、エーラは
シオン様が王子であったこと、命からがら
逃げ出して、今も逃亡中であることを話した。
「…なんでいつの時代でも追われてんだよ…」
話を聞いたゼンは呆れたようにため息をついた

